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飄々楽住

都会にはもう二度と戻りたくない、田舎ライフを楽しむ

地域おこし協力隊に大学生が応募しては駄目な3つの理由

本記事のまとめ

地域おこし協力隊には以下の3つの理由から学生が応募してはならない

  1. 人事サポートや、指導をしてくれる人はいない
  2. 行政も住民も「目的」を決め「戦略」を立ててくれるわけではない
  3. 大学では学べない汎用的なビジネススキルが求められる

私の前任者の地域おこし協力隊員、佐々木正志さん(通称まーしー)が面白い記事を書いていたので乗っかってみました。
maashiitaiyo.blogspot.jp

「地域おこし協力隊になって地域を変える!」その気持、ちょっと待った!

人口減少、少子高齢化、過疎化、耕作放棄地、などなど、地方には解決しなければならない課題が沢山。そんな社会課題を解決するために人生を使いたい!
大いなる自然、田園風景、のどかな時間、地域のつながり、伝統工芸、特産品、などなど、これらを活かしたビジネスをしたい!

そんな貴方にぴったりな、地域おこし協力隊という制度があります。大体の相場で、年収200万円+活動経費200万円、年間合計400万円を使って、貴方がチャレンジしたい地域おこしをさせてもらえます。任期は最大で3年です。

地域おこし協力隊とは
○制度概要:都市地域から過疎地域等の条件不利地域に住⺠票を移動し、生活の拠点を移した者を、地方公共団体が「地域おこし協力隊員」として委嘱。隊員は、一定期間、地域に居住して、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこしの支援や、 農林水産業への従事、住⺠の生活支援などの「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図る取組。

一見とても良い制度に思えますが、ハッキリ言って普通に生きていく分や、キャリアの泊を付け市場価値を高めるには、会社で働いている方が余程良いです。特に大学生が社会人経験なしにこの制度を活用すると、かなり苦労します。前任者のまーしーの記事ではこんなことを言っています。

冒頭で、学生で地域起こし協力隊になることはオススメしないと言いましたが…
その理由は明白で、地域起こし協力隊には、行政にできないことが求められるからです。
(中略)
しかし学生を卒業したばかりの人にとっては、出来ることにも限界があります。
僕自身も、二年間の社会人経験がありましたが、それでもスキルのなさを痛感する機会が非常に多かったです。

ちなみに民間的発想を請おうとしても、行政には、民間的発想で指導できる体勢も整っていません。
行政の仕事は、予算を取って分配して様々なインフラを整えることです。
生み出すことが仕事ではないのです。その部分を地域起こし協力隊に求めているのです。

まーしー曰く、オススメしない理由は大別すると3つ

  1. 指導してくれる体制がない
  2. 行政に出来ない社会的価値を生み出すには、民間的発想が必要
  3. 求められるスキルは社会人経験を通さないと身につかない

それらを、私なりの目線で少し深掘りしてみました。

1.地域おこし協力隊には人事サポートや、指導をしてくれる人は基本的にいない

社会人として一人前になるには3年かかると言われている

世間一般に、1年目は仕事を覚え基礎力を付け、2年目は仕事が出来るようになり、3年目で主体的に働けるようになり、やっと一人前になると言われます。地域おこし協力隊は3年で、「卒業までに一人前になってそこから人生が始まる!」と思うかもしれませんが、実はそう甘くはないのです。なぜならば、会社勤めと地域おこし協力隊では、貴方に対する周りの関心が全く違うのです。

会社に就職すると、誰かが貴方をサポートしてくれる

普通に大学生活を送った人ならば、卒業したての4月は多くの人が社会人1年目、右も左も分からない状況です。まっとうな一般企業に就職すると、貴方には必ず指導してくれる誰かが現れます。何故ならば、貴方が仕事を効率よくこなしてくれると会社は儲かり、貴方がいつまでも仕事が出来ないとお給料が無駄になるからです。また、貴方を指導し一人前に育てることで貴方の上司は会社から評価され、給与が上がります。会社は、必要に迫られて、貴方に仕事のいろはを教えるのです。だから、社会人の基礎力、スケジューリング、報連相、敬語、失礼のない対応、などの基礎的なビジネススキルが自然と身についていくのです。

地域おこし協力隊は、誰からもサポートを受けられない

一方、地域おこし協力隊はどうでしょう?貴方の給与の原資は税金です。貴方が仕事が出来ず右往左往していても、言うほど誰も困りません。貴方に仕事を指導することで給与が上がる上司などいません。貴方がパフォーマンスを上げてくれたら「ラッキー」、上げなかったら「アイツは駄目だね」で終わりです。就農での協力隊活動など例外を除けば、社会人一年目で基礎力すらない貴方を、お金も貰えないのにわざわざ指導してくれる人はまず居ません

地域の人たちは意外と厳しい

しかし、そんな状況下にもかかわらず、「貴方は税金を使っているのだから、地域を活性化してくれるんだよね?」と地域からは期待の目を向けられます。さらに、その期待に応えられなかったり、初歩的な失敗(報連相不足、時間を守らない等)をして問題を起してしまった時、貴方は地域から信頼を失い、相手にされなくなるリスクを伴います。そこに、社会人1年目だからという寛容な目線はありません。スケジューリングや報連相のノウハウも知らず、誰も指導してくれる人が居ない中で、その期待に応えていく自信はありますか?

2.行政も住民も「目的」を決め「戦略」を立ててくれるわけではない

一般的に、目的や戦略を立てるのは課長・部長以上の仕事で、ある程度のキャリアが必要

どう会社を成長させていくのか、事業の目的を定め、経営計画や戦略を立て、それを実施出来るよう社内を取りまとめる。一般的にマネジメントと言われる仕事ですが、これはやってみるととても難しい事です。企業でもある程度働きぶりを認められた、課長や部長といった人たちがこれに当たります。社会人1年目には結構荷が重い仕事です。

会社では歯車になれば最低限の社会的価値は生み出せる

まっとうな一般企業の場合、儲ける仕組みが出来上がっている場合が多いです。社会人1年目で右も左も分からない貴方でも、会社が用意してくれた目的や戦略に沿って、言われた事を徹底的にこなし、仕事を覚えてさえいけば、最低限貴方の食い扶持分くらいは稼げます。また、明確に給与を上げる方法も示されている場合も多く、何をしなくてはいけないかもハッキリしています。大なり小なり、仕組み化され、マネジメントされた文化があります。お金を稼ぎながら、スキルを身に着けていくにはとても良い場でもあります。

地域おこし協力隊は歯車になると死ぬ

一方、地域おこし協力隊はどうでしょう?社会人1年目、右も左も分からない状況で、まずは仕事を覚えようと、貴方は目の前の課題にがむしゃらに取り組みます。行政が「観光イベントをやるから手伝って」と言えば一生懸命準備を手伝い、地域の困り事があれば車を出して助けに行きます。やっている時は「地域おこしをやっている」というちょっとした充実感は得られます。ただ、ふとした時に気づきます、「コレで将来食っていけるのだろうか?」「俺の人生これで良いのか?」と。よくあるパターンですが、ただのお手伝いは貴方でなくても良く、地元の人達でも出来る事が殆どなのです。そのような仕事は、そこまで求められていない=社会的価値が低い=自分の食い扶持にすらなりません。そう言う物に振り回されると、仕事は一向に評価されず、任期終了間際に焦る事になります。

地域おこし協力隊には民間的なマネジメントスキルが求められる

故に、貴方は最低限、自分の人生をマネジメントしないといけません。任期が終わった後も引き続き仕事として地域おこし活動を続けるには、貴方でしか出来ない本当に大事な事を突き詰め、仕事の目的を明確にし、「この仕事なら食っていける」という収入を得たり、ただでさえ金銭的な余裕の無い地域の職場で「アイツなら身銭を切ってでも雇いたい」と思われる様に戦略的に仕事をする必要があります。つまり、一般企業でいう課長級以上の仕事です。しかし、それはとても難しい事で、社会人経験がない貴方には少々荷が重いかもしれません。就職して、まずは会社というレールに沿って働いた方が、身につくもの、見える物も多いと思いませんか?それから地方に来ても遅くありません。貴方はまだ若いです。

3.地域おこし協力隊では、大学では学べない汎用的なビジネススキルが求められる

都会の企業は分業化・専門化が進んでいる

都会の企業の多くは分業化されています。例えば、「デザインがとても得意です」という人は、きっと都会では上手くやっていけると思います。そこそこの企業になると、貴方のそのスキルを活かしてくれる企画担当やディレクター、売ってきてくれる営業が居る場合が多いからです。少々ずぼらでスケジューリングが出鱈目だったり、人見知りをしてしまう性格で人前に出るのが苦手でも、貴方の強みを活かして仕事をしていく事が出来ます。

地域おこし協力隊では、汎用的なビジネススキルが無いとキツイ

一方地方ではどうでしょう?仮に、貴方がそのデザイン能力を活かして、地域おこし協力隊となり、地域をデザインの力で変えたいと思ったとします。しかし、特に行政やその外郭団体と一緒に仕事をするとなると、ディレクションしたり営業してくれる専門人材は基本的にはいません。その全てとは言わないですが、多くを自分で行う必要があります。自分の力で意味のある企画をし、行政に掛け合って予算を取ってきて、何処までを自分でやるのかを決め、出来ない所を外注先にお願いし、報酬含め様々な調整をして、やっと一つの物が完成します。さて、貴方は社会人1年目、大学でデザインは極めたとは言え、企画の経験も乏しければ、仕事を外注したこともなく、調整とは何かも分からない中で、品質の高い成果物で地方を変える事は出来るのでしょうか。そもそも、何をしたら良いのかすら思いが至らず、ただただ無駄な日々を過ごしてしまうかもしれません。様々な物が分業化されておらず、そもそも会社組織の体をなしていないような地方に、地域おこし協力隊の貴方は放り出されます。故に何事にも対処出来る、汎用的なビジネススキルが求められるのです。ところで大学で勉強していれば、そんな汎用的なビジネススキル身につくのでしょうか?

それでも地域おこしをしたい貴方へ

今まで、さんざん「大学生は地域おこし協力隊になるな!」と言ってきましたが、本心では、大学生でもどんどんチャレンジしてみれば良いと思っています。来てみて失敗してみれば良いのです。というよりも、失敗しないチャレンジなんて殆どありません。私も、地域おこし協力隊になって、失敗を何度も経験しています。ですが、その挑戦が人生の糧となり、成功へと繋がるのです。仮にそれが、貴方が最初に赴任した地域ではなくとも、きっとそこでの経験は生きてくる事でしょう。大学生ならまだ若い、やり直しは効きます。「地方を何とかしたい」「地方で憧れの暮らしをしたい」そんな熱い思いを持ち続ける事が大事です。熱い思いがあれば、スキルは必ず自分で勉強することでしょう。これだと思ったら、突っ走ってみたら良いと思います。

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